2022年01月18日

コンバット!本編レビュー #4「わが心との戦い」


原題:LOST SHEEP, LOST SHEPHERD
戦車回かと思いきや・・・?


前進するヘンリー小隊とサンダースを、冒頭いきなり待ち受けるドイツ軍。
ヴィッカース機関銃とGew43(!)です。


Gew43の方は狙撃銃のようで、スコープを載せているところは確認できませんが、レティクルの表現があります。


不意を突かれる一行。ヘンリーは今回M1カーバインに着剣しています。


進めない!とそこに後方から突如戦車が出現、敵を一掃します。
今回米軍戦車を演じるのはM41軽戦車ウォーカーブルドッグです。
マズルブレーキ周辺が改造してあるようですが、星マークも描いてあり雰囲気はバッチリ。


車長のデイン軍曹。ついでに乗せてくれと頼むサンダースですが、燃料がない、忙しいとあしらわれます。
今回初めて気づいたのですが、デインの戦車兵ヘルメットの顎あたりに金具がついていて、空挺ヘルメットと同じチンカップが付いています。
改造して付けたんでしょうか?なかなかカッコよくて良いです。


が、ヘンリーの説得で全員デサントさせてもらえることになりました。
プラモで作ってみたい画ですね。


着いたのはフランス北西部のガヴレの町。オマハビーチから約70kmにある町です。
前回のヴィル川からだいぶ前進している気がします。
ちなみにこの町はコンバット!御用達の撮影セットで、今後何回も登場します。


着くや否やまたもヴィッカース機関銃の洗礼を受けます。


早速応戦するデイン軍曹。車内空間が描写されるのは珍しいですね。
傍らに置いてありますが車外ではトンプソンを使用します。
コンバット!の中では、サンダース以外でトンプソンを使用する人物はほとんどいない(※一時的に借りる場合を除く)ため、貴重な人物と言えましょう。


無事機関銃を排除しますが、ついでに教会の十字架を破壊します。


街を捜索する一行。これはリトルジョンの背中ですが、メスパンポーチの金具を見る限り、おそらくM1928ハバーサックを装備しています。
コンバット!といえばM1910ハバーサックだと思っていたので、新たな発見です。
考証的にはM1928の方がリアルだと思います。


心優しい大男・リトルジョンは今回初登場。とはいえ台詞も少なくモブキャラと変わりません。声優の演技もなんとなくぬぼーっとしている。


捜索の結果、人がついさっきまでいた形跡があることが分かりましたが、街は無人のようです。
このシーン、ふとリトルジョンの腰を見るとジャングルファーストエイドポーチを装備しています。
海兵隊ではよく見る装備ですが、陸軍では珍しいですね。(そもそも支給されてましたっけ?)


負傷した神父を発見。何か知っているようですが「ドイツ軍行った、皆も行った」と同じセリフしか話しません。
誰かに言わされてるんだろう、と勘づくサンダース。
そこにデイン軍曹が掴みかかります。

十字架を破壊したり、神父に掴みかかったりと、何か教会に恨みでもありそうなデイン軍曹ですが・・・


その始終を教会から見ていたドイツ軍。
街に誰もいないと思ったら、ドイツ軍が市民を教会に監禁していたのでした。
米軍をやり過ごすためかな?


デイン軍曹以下の戦車兵2人組。Cレーション(と思われる)のコーヒーを火で温めようとしてサンダースに叱られます。
2話でもそうでしたが司令部は火の取り扱い教育をもう少し入念にした方が良さそうですね。
前回に引き続き、M1910キャンティーン(WWⅠ型)が登場。

ここでサンダースのヒアリングタイム。
2人によれば、デイン軍曹は神父になり損ねた男で、6年修行していたにも拘らず破門されたそうです。
それで教会に対しコンプレックスを抱いているとのこと。
十字架を破壊したのも、神父に乱暴したのも同じ理由だと納得がいったサンダース。


教会を訪れ、何かを思うデイン軍曹。ちなみにこのときドイツ軍と市民には気付きませんでした。


神父の元へ行こうとするデインをサンダースが止め、彼を詰問します。

経緯を語るデイン。
神父任命一週間前に暴行事件を起こし、それも最初ではなかったため破門されてしまった。
懺悔しようと思ったが、戦争のせいで修道院に行くことができず、懺悔できなかった。
戦車隊に配属され、多くの人間を殺した今、もう手遅れになってしまった。
本当に神父になりたかった、と。

サンダースが答えます。
「俺だって仕方なしに大勢殺してきたんだ。 俺の方は無信心だから、殺生は平気だとでも思うか? 俺たちのしたことは、生涯の重荷として背負ってかなくちゃいかん。 もし国に生きて帰れたら、つらい思い出に目をつぶらずに生きることを覚えるんだ。俺はそう思ってる!」 
「あんたガキだ!」


コンバット!の醍醐味の一つが、このサンダース軍曹の熱い説教だと私は思っております。
視聴者の心に刺さることも多いです。
憧れの大人だと思います。
軍人の手本であり理想のサラリーマンではないでしょうか。


なぜ来た?というと、神父を苦しめるのではなく、懺悔をしに来たというデイン。
ラテン語で神父と言葉を交わします。


懺悔の間席を外していたヘンリーとサンダースが戻ってくると、デインがいなくなっていました。
神父が全てを話した様子です。


デインは教会のドイツ軍に単身カチコミをかけていました(ええ!?)
祈っていると見せかけて、袈裟の下から拳銃が火を噴く。
突然のアクションに驚きますがこのシーンがめちゃくちゃかっこ良すぎで笑ってしまいます。
シュワルツェネッガー感が凄まじいです。


最初は優勢だったが、数で返り討ちに遭うデイン。そりゃそうなるよな・・・。


慌ててヘンリーとサンダースが応援に来ましたが手遅れでした。
二人で残ったドイツ兵を排除し、市民を解放します。


デイン軍曹は祈りながら事切れるのであった。

【感想】
先ほども書きましたが、コンバット!の魅力の一つはサンダース軍曹の熱い説教だと思います。
今回もサンダース節が炸裂しデインの心を動かしたことでしょう。

お話としては中盤(特に神父保護~デインの過去判明)あたりでちょっと退屈だなーと正直感じましたが
デインの過去語り~サンダース軍曹のお説教で一気に目が覚めました。

ただ最後のカチコミはちょっと雑かな~~。カッコよかったけど(笑)
なぜドイツ軍が市民を監禁して隠れていたのかもしっくり来ませんでした・・・。

祈りながら事切れるラストシーンはしんみりしていて、結構好きです。

【5段階評価】
ストーリー:3 正直微妙!熱い説教が◎
アクション:3 M41軽戦車、袈裟からピストル
マニア度 :3 Gew43がちらっと出る、戦車の戦闘室内
  

Posted by すけべプラモ at 21:42Comments(0)コンバット!本編レビュー

2022年01月17日

コンバット!本編レビュー #3「あるドイツ将校」


原題:FORGOTTEN FRONT
1番最初に撮影された回ながら、よく挙げられる傑作回。
他の回と違い、オープニングの背景や、ナレーションがありません。


ロケーションまで明確に表示するのはこの回くらいだと思います。
フランスのヴィル川は、オマハビーチから約30km離れた小さい川みたいです。


最初に登場するのはコールサイン「ブラックロック」。劇中曰く「班長」はマック2等軍曹です。

無線手はSCR-300を背負っていて、考証もバッチリ。


無線を受けるヘンリー。ヘルメットから、今回ようやく少尉であるとわかります。
ヘンリーのコールサインは「チェックメイト・キング」です。

<コンバット!の無線及びコールサインについて>
改めて解説の必要もないかもしれませんが、コンバット!未見の方もおられるかもしれませんので改めておさらいしましょう。

コンバット!の無線コールサインにはチェスの駒の名称が使われます。
今回は既に「ブラックロック」が登場しましたが、これは「ブラックルーク」の誤訳になります。
サンダース分隊は基本的に「ホワイトロック」になります。シリーズ後期になると「ホワイトルーク」に修正されます。
ヘンリー小隊は「チェックメイト・キング2」です。おそらくK中隊第2小隊の意と思われます。
他にも「ホワイトビショップ」「チェックメイト・キング6(=中隊本部?)が出てきます。
(たまに変なコールサインも出てきますが・・・。「キング・タイガー」(???)とか)

「チェックメイト・キング2、こちらホワイトロック、どうぞ」
もはやお馴染みの台詞ですね!

ちなみに今回は「キング”2”」の部分が聞き取れなかったために、ヘンリー小隊が「チェックメイト・キング」になっています。


家屋を制圧しようとしますが、椅子に仕掛けられたブービートラップで全滅します。

虫の息のマック軍曹の救出、及び任務を引き継ぎに来たのは、我らがサンダース分隊「ホワイトロック」(笑)です。

今回のメンバーは、サンダース・ケーリー・カービー・ドク(衛生兵)の4名。

この回の見どころは、やはり擬装です。
申し訳程度ですがヘルメットの偽装網に葉っぱをつけてますし、
顔も黒くペイントしています。空挺部隊みたいだあ・・・。


今回は敵の大砲を観測・砲撃要請するのが任務なので、前回に引き続き双眼鏡を携行しています。


援護するケーリーとカービー。初期なので二人とも着剣してます。
カービーはまだM1ライフル装備。トレードマークのBARを手に入れるのはまだ先になります。
ケーリーが軽口を叩くとカービーは「何だとこの馬面野郎・・・」と答えます。1話でも馬面呼ばわりされて喧嘩になってるし、ケーリー=馬面で定着しているようです。


マップケースはケーリーが代わりに持っていますね。

家屋を制圧したサンダース達ですが、マック軍曹は保たず息絶えてしまいました。


今回の準主役であるドク。


というかドクまで擬装しています。ヘルメットに砂をかけているために赤十字がほとんど見えません。


床下に何かいる!・・・と思ったらドイツ兵のおじさん脱走兵でした。
が、英語がまあまあ上手く、問題なく米兵とコミュニケーションをとります。
タイトルでは将校でしたが、明らかに兵ですね。


懐中電灯と一緒にトンプソンを持つとタクティカルでかっこいい。


最初の見張りはドクです。衛生兵ですが今回は普通に武装しています。
M1カーバインは、着剣ラグが付いた戦後型ですね。
ちなみに1話では戦中型が登場しています。


身の上話を語るドイツ兵。
名はカール・ドルフマン。
喧嘩嫌いな性格で、母親には褒められたが父親にはよく叱られた。
遊園地で手品師をしていた。
歌はあまりよくないが、「アメリカの歌大好きです」。
歌いだすドイツ兵。
You Are My Sunshineは歌詞をほとんど覚えてませんでしたが、
Show Me The Way To Go Homeは見事に歌って見せます。
ドクもついリズムをとってしまいます。

とにかく明るくていいドイツ兵なんですよね。
ちょっと片言だけど終始丁寧語だし。
徴兵されたそうですが、この後のドイツの末路を考えると気の毒で仕方がありません。

映画「プライベート・ライアン」のドイツ兵と比べると対照的ですね。状況がだいぶ違いますが・・・


リンゴを採ってきたカービー。
腐ったリンゴを食わせようとしてドイツ兵をいじめます。
戦友が罠で殺された直後なので仕方ないのですが、ここはちょっと胸糞悪いシーン。


「彼だって人間だ」
「虫けらだい!!」

代わりにドクが普通のリンゴを投げるが、ドイツ兵は受け取らず、
そのままリンゴが転がってきたところを、カービーが思い切り踏み潰す。
良い演出です。

戦友の遺体を見た後に現れたドイツ兵捕虜。ヘイトが向かない筈がありません。
ピリピリした空気が流れます。


そういえば本来は観測任務でしたね。
仲良く双眼鏡を覗くサンダースとケーリー。


ドイツ軍の斥候が接近!
捕虜のドイツ兵に追い払わせます。


なんとドイツ兵も擬装しています。斥候らしくてカッコいいぞ!


ドイツ軍無線機も登場。実物なのかよく似せた小道具なのか判別できませんが、雰囲気は出てると思います。


砲撃が命中!命中報告を受けご満悦のヘンリー少尉。


何故か彼もご満悦。
うっかりカービーが中隊前進の情報を喋ってしまい、ドイツ兵に聞かれてしまいます。


「ドイツ軍の戦車だ!」
サンダース軍曹にそう言われると、M48パットンもティーガーⅡに見えてくるので不思議です。


一人ずつ河を泳いで脱出することに。
レギンスを「ゲートル」呼びしているのも興味深いですが(日本人にはわかりやすいですよね)、
「ストリップしろ」という言い回しが面白いです。

ドイツ兵はどうする・・・?
一瞬無言になった時、さっき歌っていたShow Me The Way To Go Homeのインストが流れる。
エモい演出です。


白い鉄十字が輝く!戦車もしっかり擬装しています。
シルエットを誤魔化す効果があるので、戦車が違う戦車を演じることが多い戦争映画ではよく使われます。


緊張が最大に達した時、ケーリーはドイツ兵を殺そうとするが・・・。


脱出に成功し、次の作戦前に、キャンティーン(水筒)に水を詰めるケーリー。
この水筒よく見ると、アルミ製のWWⅠ型です。
ハバーサックもそうですが、コンバット!ではWWⅠ装備がちょこちょこ登場しますね。


感情を爆発させるケーリー。このシーンは涙無しでは見られません。
CVの山田康雄氏が熱演。声が震えている迫真の演技です。


サンダースの前で、前進が始まっていく。

【感想】
捕虜になったドイツ兵と交流したり心理戦をしたりするのもコンバット!の定番ですが、その初回です。
ドイツ兵がめちゃくちゃいい人なのでつい感情移入して観てしまいました。

人間描写が良い回です。
ドクが優しくしちゃうのも、カービーが酷いことするのも、最後のケーリーも、人間の持つ一面なんですよね。
最後のオチもグッと来ました。

製作第一回なためか、擬装などにかなりの拘りが見られるのもポイント。

アクションは無く地味ですが、是非多くの人に観て欲しい回です。

【5段階評価】
ストーリー:5 ザ・人間ドラマ
アクション:2 戦車は出るけど戦闘はほぼナシ
マニア度 :3 擬装、無線機等
  

Posted by すけべプラモ at 23:25Comments(2)コンバット!本編レビュー

2022年01月13日

コンバット!本編レビュー #2「三人の新入兵」


原題:REAR ECHELON COMMANDS
コンバット!の定番ともいえる新兵教育回です。


右端のヤンキー野郎・カービー(CV:羽佐間道夫)が初登場。今後ほぼレギュラーメンバーになります。


3人の補充兵。左からゲインズボロー・テンプル・クラウン。
コック・バレエダンサー・男子アナという経歴です。
M1ライフルを「てっぽう」と呼んだり、認識番号を言えなかったり、変にイキったりで皆を不安にさせます。

まあ、私もトイガンの話をするときは照れ隠しでつい「てっぽう」と呼んでしまうので、気持ちはわかります。


洗濯中のヘンリーに、補充兵の出来の悪さを愚痴るサンダース。
お母さんと子供みたいな絵面でちょっと笑える。
ちなみにこの回ではヘンリーのことを「小隊長」ではなく「隊長」と呼んでます。


仕方ないので手榴弾投擲の稽古をやるサンダース。
手榴弾を投げる池があるし、隠れるための壕も掘ってあり充実していますね。


投げるのを失敗し死にかけたことでクラウンにブチ切れるサンダース。
「畜生、叩き殺してくれる」
怖すぎだろ!
ちなみにこのセリフは後でもう一回聞くことができます。


命令下達。敵の拠点に攻撃をかける前に、手前の小さな町を偵察してこいとの命令です。
情報が正しければ危険はないそうです。
あっ・・・(察し)


サンダースは今回双眼鏡装備。律儀にケースも担いでますね。
回が進むにつれて邪魔くさくなったのか、ケースは持たなくなりますが・・・。
木に登って町を観察します。


シリーズ初期なので、ちゃんとみんなレギンス装備です。
脚がスマートに見えてカッコいい!
全員着剣しているのも初期特有ですね。


街はガチョウばかりで、人の気配はありません。


・・・と思ったらやっぱり居たドイツ兵。
子猫3匹に水を飲ませたりしてほのぼのとしています。
敵が目前なのにのんびりしすぎだ(笑)

民家を一個一個捜索する一行。

「これで家中探したと言うつもりか、叩き殺してくれるぞ!!」
捜索がいい加減だったのがバレてサンダースから2回目のお叱りを受けるクラウン。
声優の演技もあり「叩き殺してくれるぞ」がかなりパワーワードに聞こえます。
いつか実生活で使ってみたい。


仕方なく新兵を置いて捜索しようとしたところ、缶詰を温めようとクラウンが火を起こしたために、ドイツ兵に気づかれてしまう。馬鹿・・・。


今回のドイツ軍MGを演じるのはヴィッカース重機関銃です。
MG42、MG34と並んで出演頻度が多いです。
銃口周りだけM1917みたいなラッパハイダーになってます。

ケーリーは本隊へ連絡に向かいましたが、カービーとサンダースが被弾、助けようとしたゲインズボローは戦死してしまいました。

テンプルは意を決して、屋根の上を伝って手榴弾をブチ込みに行きます。
元バレエダンサーの設定がここで活きてきます。
分かりやすくていい脚本だぁ・・・
潜水・渡河・ロープで屋根登り等、特殊部隊みたいな芸当をこなします。


屋根を歩く姿が川の水面に映る演出が良いですね。


屋根が崩れ落ちかける場面も、思わずヒヤヒヤしてしまいました。


なんと2話目にしてGew43が登場!!
Kar98Kが殆どの中、珍しい出演です。
テンプルを阻止しようとしますが、クラウンに撃たれ失敗。
残念ながら発砲シーン無しで終わってしまいました・・・。


無事機関銃を倒して生還。めでたしめでたし。

【感想】
補充兵を教育する回はこの後も何回か出てきますが、安定して面白いです。
その魅力の一つがサンダースのブチ切れですが、今回も初回ながらバッチリです。最高!!
バレエダンサーという伏線も活き、オチも綺麗でまとまりが良かったですね。
屋根上を伝っていくシーンは緊張感がありました。
マニア目線では何といってもGew43の出演に驚きます。実銃なのかプロップガンなのか非常に気になるところです。

【5段階評価】
ストーリー:3 
最早定番
アクション:3 銃撃戦は少ないがスタントシーンが◎
マニア度 :4 Gew43!!!


  

Posted by すけべプラモ at 22:07Comments(0)コンバット!本編レビュー

2022年01月12日

コンバット!本編レビュー #1「ノルマンディーに上陸せよ」


原題:A DAY IN JUNE
「コンバット!」記念すべき第1話、Dデイ回です。

・・・とはいうものの、本国での放送順は1話ではありませんでした。

本国放送版では冒頭に前線でDデイを回想するくだりがありましたが、日本放送版ではカットされました。つまり日本放送版は全編回想シーンというわけです。

なおこの本編はパイロット版になります。シリーズの途中でパイロット版をぶちこむのはなかなか珍しいのではないでしょうか?


冒頭のヘンリーですがいきなり現地(ロンドン)の美女といちゃついている2枚目キャラになっています。シリーズ通してストイックな将校のイメージがありますのでかなり新鮮です。


この時点では一等軍曹だったんですね。実戦経験もまだありません。
どうでもいいですがこのMPの口調が良いです。「わかりゃせんよ」と富野ガンダムの一般兵みたいな喋り方をします。


対するサンダースは既に三等軍曹ですね。北アフリカ・イタリアと転戦しており実戦経験豊富です。負傷経験もありますが、缶詰を開ける時に指を切ったとのこと。


ヘンリーと女のことで少しもめます。ヘンリーが先に見つけた女なのにサンダースが接触していた様子。再度接触しようとしたところをヘンリーに発見され歩哨を命じられます。
略綬の数の差が経験の差を物語る。


呼集がかかり待機中の営内では、兵隊が博打やチェスに興じています。
映画「史上最大の作戦」でも似たようなシーンがありましたね。


いよいよ出動だ!上陸用舟艇に乗り込む兵隊たち。海に落ちる者も出てきます。このへんも他の映画で見たようなシーンです。


小隊長と打ち合わせるヘンリー。この小隊長はこの回限りの登場だったような?
上陸後、任意の一個分隊を連れて農家を偵察しろとの命令下達。
ここでヘンリーはサンダース分隊を指名します。


地図を示しながら作戦下達するヘンリー。
果樹園を抜けたところに農家があり、先行した空挺隊が確保しているはずだが、念のため偵察せよとのこと。
視聴者的には空挺隊の装備が気になります。


上陸!


「散開しろ!!」
サンダースの指示は聞いてるだけでかっこいい。CVの田中信夫氏も亡くなって久しいですね。
ちなみに上陸時、サンダースはトンプソンではなくM1ライフル装備です。ヘンリーもM1カーバインでなくM1ライフルですね。


気になったワンシーン。
背負ってるのはPRC-10ですかね?PRC-10は第2次大戦後に採用された無線機です。
ブランケットキャリアに無理やり固定してるのが面白いです。
後の回では考証的に正しいSCR-300無線機も登場していたような気がします。


何とか砂浜を抜け、チーズの缶詰を開けて食うサンダース。
横のブラドック(ギャグ担当)も関心しています。


「こういう時は戦争の名人の言う通りにした方がよかろうと思ってね」
「女の子に関しちゃ負けるがね、お互い得意があるもんさ」
冒頭とは打って変わって、お互い認め合うような会話を交わすヘンリーとサンダース。
あー、良い。


今回のドイツ戦車役はなんと!M48パットン戦車です。
当時(1962年)ではかなり新しめの米軍戦車です
・・・と思いましたが、M48戦車自体は1952年から生産しているそうですので10年目になりますね。
とはいえベトナム戦争にも投入され、当時現役バリバリでした。
それにしてもドイツ兵が乗ってる絵面がなんか笑えます。


偵察が任務でしたが、空挺部隊が捕虜になっているのを発見した一行は農家を占拠しているドイツ軍を襲撃することになりました。
ちなみにこの空挺部隊はM43FJとM43パンツ?を着ているみたいです。


いや無理だろ・・・と薄々思いながら、とりあえずライフルグレネードで攻撃しようとする一行。


そこに現れたのはフランスのレジスタンス。ルイス軽機2丁と火炎瓶をくれました。太っ腹だ!


友人が戦死したことで意気消沈し脱走しかけていたケーリーもワインを飲んで元気になりました。
作戦を変更し、軽機の援護の下、サンダースが火炎瓶で戦車を攻撃することに。



応戦するドイツ軍。今回はMG42も2丁登場!バリバリ撃ちまくりますが、すぐに狙撃されて沈黙します。



戦車が動き出す!が、サンダースの肉薄火炎瓶であえなく炎上・・・。


レジスタンスの女性をチョコレートで引き付けて、歩哨お願いしますよ?とヘンリーにのたまうサンダース。
冒頭と真逆の構図です。
めでたしめでたし。

ここから全152話・4年半に渡る戦いが幕を開けるのである。

【感想】
今回の見どころはヘンリーとサンダースの絡みと進展でしょうか。他の回を知ってると、あの二人がこんな経緯で・・・と感慨深いです。

久々に第1話をまるごと真剣に見返しましたが、マニア目線で見ると動くルイス軽機が面白かったです。弾倉が回転し排莢もしてましたね。
上陸シーンでは背景に煙幕を焚いて広い場所に見せる等、撮影の工夫にも今回気付くことができました。

【5段階評価】
ストーリー:3 テーマ性はないがキャラが立っていておもしろい
アクション:4 上陸シーン、戦車登場
マニア度 :3 装備品・ルイス軽機等は要注目
  

Posted by すけべプラモ at 22:52Comments(0)コンバット!本編レビュー